博多に来たらこれを食べなきゃ (久保)
さわやかな季節になりました。
朝晩は肌寒いくらいですが、そうなると食べたくなるのが『鍋物』です。
博多で鍋というと…『もつ鍋』? いやいや、『水炊き』でしょう!
今夜は水炊きだ~という方のために、受け売りの薀蓄を少し。
博多に水炊きが誕生したのは享保年間。黒田藩の養鶏奨励政策で鶏卵を藩の専売品とし、
鶏の処分は自由としたため、それを食べるために水炊きが考えられたとか。
鶏肉のぶつ切りを水から炊いていく、素朴な調理法でした。
それをビジネスにして大成功したのが、今も博多に君臨する水炊きトップ3、
『水月』 『新三浦』 『長野』です。
『水月』は明治38年創業。鶏からスープを取り、そのスープで鶏肉を炊くという
新しい水炊きを考案して大ヒット。水炊きを本格料理に変身させました。
明治43年創業の『新三浦』はもとは遊郭でしたが、水炊きを名物とした料亭に業態を変え大繁盛します。
ちなみに『新三浦』のスープはにごっているので、発音もにごって「みずだき」です。
そして『長野』ははっきりとした創業は不明ですが、90年以上だとか。
この店は大衆路線を行くことで人気を集めました。価格の違いですが、
『水月』5,300円+税~ 『新三浦』6,800円+税~ に対し、『長野』は2,300円です。
こうして博多に根付いた水炊きですが、最近は新しい専門店も人気です。
ミシュランガイド福岡・佐賀2014特別版で紹介された『とり田』 『橙』、
日本全国のみならず、海外にも進出している『華味鶏』、
『長野』の暖簾分け『濱田屋』などなど。
…書いているうちに、食べたくなってきました。
博多にいらっしゃる方々、ぜひ一度水炊きを!